戸棚の引き出しを整理していたら、中身が残っているジッポオイルの缶が出てきました。
もう煙草も吸わないので、捨てることにしたのですが…。
中身を捨てて缶は不燃物に出せばいいのはわかるけど、中身の捨て方は皆目見当がつきません。
そこで、ジッポオイルの捨て方を調べたら、自治体の指定に従うのが安全だということがわかりました。
ジッポオイルは、引火しやすく体に害を及ぼす可能性がある危険なオイルです。
ジッポオイルの成分や危険な理由、安全な再利用の仕方についても紹介していきます!
是非、この記事を参考にして安全にジッポオイルを捨てたり再利用したりしてくださいね♪
目次
ジッポオイルの捨て方は自治体指定の方法がおすすめ!
ジッポオイルの捨て方はずばり、「あなたが住んでいる地域の自治体が指示する方針に従って処分する」です。
インターネットで調べると、下記のような方法を紹介しています。
- 地面に少しずつ吸い込ませながら揮発させる
- 蓋をあけっぱなしにして放置すれば揮発してなくなる
しかし、このような捨て方は公式でなく、個人の方の経験から公表していることなので私個人としてはおすすめしません。
私がおすすめするのは、家庭から出る不要な物を処分する時に迷ったら、まずあなたが住んでいる自治体に問い合わせをすることです。
住まいがある自治体に問い合わせる
実際に、自治体によって違いがあるのか知りたいと思い調べてみました。
区役所1か所、市役所1か所を無作為に選び、それぞれのサイトを見てみることに。
まずは、江東区役所です。
東京都江東区の場合、食用の油はあ行の「あ」で記載されていて、燃やすごみで出すようにと指示されています。
油として食用以外の記載はありませんでした。
それでは「オイル」はあるかと見てみると、あ行の「お」の欄にオイルが記載されていて、やはり燃やすごみと指示されています。
オイルのみの記載なので、ジッポオイルが適用されるのか疑問が残ります。
そこで、江東区役所に電話して直接聞いてみることにしました。
説明されたことをまとめると…。
江東区でのジッポオイルの捨て方 |
※乾かすというのは、揮発させるということですね。 |
もう1か所、東京都の八王子市役所のサイトを見てみました。
こちらではごみの分別のリストには、食用油以外の油の記載はありませんでした。
下記のように、別枠がありそこに該当すると思われます。
八王子市の場合、引火性の強いものは買ったお店や専門店に相談するように指示しています。
ジッポオイル缶の裏面に「危険等級Ⅲ/第4類第2石油類」とあるので、引火性が強いのは間違いありません。
詳しく説明を聞くために八王子市役所にも問い合わせてみたら、江東区役所とまったく同じ捨て方を教えられました。
「燃えるごみ」として出せるか出せないかは量にもよると思われます。
なぜなら、2か所ともまず初めに「どのぐらいの量ですか?」と聞かれたからです。
今回、私は缶の2/3ぐらい残っているジッポオイルの捨て方を問い合わせたから、燃えるごみに出すことを案内されたと思います。
これが、18リットルの灯油タンクに2/3残っている灯油の捨て方ということになれば、灯油を買ったお店に問い合わせということになるでしょう。
自治体によって分別の仕方が違うので、あなたがお住まいの自治体の方針を確認してから、指示に従って処分してください。
インターネット上で紹介しているような、安全性が保障されていない捨て方をするのであれば、自己責任で充分気をつけて行いましょう。
以下に、ジッポオイルの成分がどのぐらい危険なものなのか説明していきたいと思います。
ジッポオイルの成分の危険性を解説!
ジッポオイルの成分は、生産を始めてから3回変わっています。
年代 | 主成分 | ニオイの特徴 |
生産当初~2006年 | 重質ナフサ | オイル臭が強い |
2006年~2008年 | 合成イソパラフィン | 薬品のような匂い |
2008年~現在 | 軽質石油蒸留物系 | オイル臭が薄め |
下の図は、石油の原油から蒸留塔を使ってできる石油製品を表しています。
引用 石油化学工業協会
分子の大きさが一番小さいのは石油ガスで、気体なので最も引火しやすいのはわかりますね。
その次にガソリン・ナフサとあります。
ナフサはガソリンに似た透明な液体であり、ガスの次に引火しやすい物質です。
ジッポオイルの主成分に使われている物質は全てナフサから作られています。
ナフサは石油ガスの次に引火しやすい
最も引火しやすい石油ガスの次に引火しやすい状態の物質がナフサということになりますから、どのぐらい危険な物質かは想像できると思います。
ジッポオイル缶の裏面に「危険等級Ⅲ/第4類第2石油類」と記載があります。
第4類というのが引火性液体を表しています。
引火性が強いということは、気化しやすいということなので、顔が近くにあった場合吸引する可能性が高くなります。
そうなんです。
ZIPPO社の公式サイトに以下のような製品安全データシートが掲載されていたので一部を抜粋してあります。
製品安全データシートでは気化した状態のことを「蒸気」としています。
吸引すると、呼吸困難になったり、意識不明になったりする可能性があります。
製品安全データシートに記載されている応急処置の方法を読めば、起こるであろう事態の想像がつきます。
吸引する他に、直接皮膚に触れたり、目に入ったり、飲み込んだりした時の応急処置方法の一部を抜粋してまとめてみました。
応急処置 |
吸い込んだ場合 |
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皮膚が触れた場合 |
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眼に入った場合 |
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飲み込んだ場合 |
|
こういった危険性がある成分だということをよく認識した上で、捨て方を考慮してくださいね♪
インターネットで再利用の仕方を調べてみると、シールはがしや油性汚れを落すのに使う等の情報が散見されます。
メーカーにそういった使い方ができるのかどうか問い合わせたところ、下記のような返信が来ました。
お問い合わせの件ですが、弊社では本来の目的以外でのジッポオイルのご使用はお勧め致しかねます。
何か不具合が生じた場合はお客様の責任になりますので、お控えいただいた方がよろしいかと思います。
ジッポリペア係り
本来の用途以外に使うことを認めてしまうと、何かあった時にはメーカーの責任が問われるからあたりまえの内容ですけどね。
よほど化学物質に詳しいとか、危険物の取扱いになれているとかでなければ、メーカーさんが言っているように控えた方がいいと私も思います。
もし、そういったシールはがしや油性汚れ落としに使うのであれば、自己責任においてすることになります。
何が起きても、どこにも責任を問うことはできないということですね。
ジッポオイルの安全な再利用方法として、ジッポオイルを燃料の代用に使えるカイロを紹介していきます。
ジッポオイルを代用に使えるカイロを紹介!
あなたは「ハクキンカイロ」を知っていますか?
引用 ハクキンカイロ
創業が1923年(大正12年)という大阪に本社を置く老舗の会社が製造・販売しているカイロです。
熱量(カロリー)は使い捨てカイロの約13倍と温かく、25ccのベンジンで最大24時間保温できるという優れもの。
クリーンな発熱システムで省エネ・再利用ができるということでエコの観点から注目されています。
とはいえ、正しい使い方をしていれば、低温火傷をするようなことはないので安心してくださいね。
そんなハクキンカイロの燃料にジッポオイルが使えるので説明していきます。
ハクキンカイロの燃料にジッポオイルが代用できる
ハクキンカイロ(株)がOEM生産(他社ブランドの製品を生産すること)している「ZIPPOハンディーウォーマー」というカイロがあります。
ZIPPOハンディーウォーマーと、ハクキンカイロの構造や発熱原理が全く同じなんです。
そんなことから、ハクキンカイロの燃料がベンジンなのですが、ベンジンの代用にジッポオイルを使うこともできるんです。
ハクキンカイロの燃料であるベンジンは炭化水素で、ジッポオイルもまた炭化水素。
成分的に見ても問題ありません。
ハクキンカイロのアメリカ向けサイトで、燃料としてジッポオイルを紹介しているので使えることは確かです。
引用 ハクキンカイロ公式
ジッポオイルを燃料の代用として使えるハクキンカイロが気になった方は、読み進めてくださいね。
これからハクキンカイロについて、詳しい情報をお伝えしていきます!
ハクキンカイロが発熱する仕組み
ハクキンカイロは火をつけて発熱しているわけではありません。
酸化熱を利用する点は、使い捨てカイロと同じ仕組みです。
使い捨てカイロは鉄粉に活性炭を混ぜて、酸化反応を早めるために塩水をかけたものなのです。
使う時に使い捨てカイロの封を切ることで鉄粉が酸素に触れ、酸化する際に発生する酸化熱で温かくなります。
ハクキンカイロが使い捨てカイロと違う点は、ベンジンの酸化にプラチナ触媒を利用している所です。
ハクキンカイロの火口にはプラチナ触媒があり、揮発したベンジンが触れて酸化し発熱しています。
温度が高くなったプラチナ触媒はベンジンの酸化反応を早めるからです。
火をつけているように見えるけれど、火口を温めているだけなんです。
ハクキンカイロは火事になる可能性が低い理由
物が燃えるためには、3つの条件が揃う必要があります。
燃焼に必要な3つの条件
- 燃えるもの(可燃物)
- 酸素
- 熱
これら3つのうち、どれか1つでも欠けると物が燃えることはないのです。
そして「熱」は、物によって燃えるのに必要な温度が異なります。
燃えやすいイメージがある紙でも、一般的に300℃の熱が無ければ燃えません。
ハクキンカイロを布の袋に入れて使うとすると、布が燃えるのには紙よりももっと高い温度が必要になります。
つまり、ハクキンカイロから発生する熱の温度では物を燃やすことができないというわけです、
ハクキンカイロの表面温度は、どんなに高くなってもせいぜい60~70℃というところです。
人が温かいと感じる温度では、物を燃やすことはできないので安心してくださいね。
低温火傷をしないために注意すること
体温より高い温度(40℃以上)に長時間触れ続けると、皮膚の深部まで熱がじっくり浸透していき低温火傷をしてしまいます。
低温火傷になる目安は、50℃なら約3分間、40℃なら約6時間といったところです。
ハクキンカイロの表面温度は60℃~70℃になりますが、付属のフリース袋に入れて温度が下がった状態で利用します。
フリース袋に入っているカイロをジャケットの内ポケットに入れるとか、腹巻に入れるとか…。
直に肌に触れないように、また同じ場所に長時間当たらないように時々位置を変えることで、低温火傷を防止することができます。
ジッポオイルが残っているのをキッカケに、ハクキンカイロを購入するのもいいかなと思います。
そこで気になるのがハクキンカイロのお値段。
ハクキンカイロの種類と値段は?
ハクキンカイロは3サイズあります。
ハクキンカイロの公式HPを参照し、サイズや価格、燃料の最大容量と最大持続時間を表にまとめました。
持続時間は使う状況によって前後します。
ミニ | スタンダード | ジャイアント | |
サイズ(mm) | 58×87×13.5 | 68×101×15 | 70×110×20 |
価格(税込み) | 3,850円 | 4,378円 | 6,000円 |
容量 | 18ml | 25ml | 50ml |
最大持続時間 | 18時間 | 24時間 | 30時間 |
※【付属品】カイロ本体、カップ、袋、説明書は各サイズ共通
Amazonや楽天市場など他のショッピングサイトでも扱っています。
最後に、ハクキンカイロの使い方はハクキンカイロの公式チャンネルの動画が参考になります!
引用 YouTube
以上、ハクキンカイロについて紹介してきました。
残ったジッポオイルを、ハクキンカイロの燃料代用として利用するのが最も安全な使い方だと思いましたので紹介させていただきました。
ジッポオイルの再利用をきっかけに是非チェックしてみてください♪
まとめ
- ジッポオイルの正しい捨て方は、あなたが住んでいる自治体の方針に合わせる
- ジッポオイルは引火しやすいので、周りに火の気がないことを常に確認する
- ジッポオイルが気化した成分を吸うと、体に害を及ぼし生命に危険が及ぶ可能性がある
- ハクキンカイロの燃料にジッポオイルが代用できる
- ジッポオイルを安全に再利用するならハクキンカイロはおすすめ
ジッポオイルを、シールはがしや油性汚れに使っている人がいますが、危険が伴うことなので私はジッポオイルを使おうとは思いません。
捨て方も家庭で使うぐらいの量でしたら、自治体が指定する方法で簡単に捨てられることがわかりました。
あなたも、正しい捨て方・再利用の仕方で安全にジッポオイルを扱ってくださいね♪