花粉やウイルス対策にかかせない存在、「マスク」。
なかでも布マスクは素材や柄が豊富で、自分に合ったお気に入りをお持ちの人も多いと思います。
また、布マスクは繰り返し使えることが大きな魅力ですよね。
日常的にマスクを使う人は特に、マスクの消費はなるべく抑えていきたいところです。
そこで清潔に長く使うために肝心なのがお洗濯!
洗濯機に入れて干すだけで、はたして雑菌はしっかり落とせているのか…?
管理が甘いと、せっかくマスクをつけていても実は余計にからだに害を与えていた…なんてことも。
そこで今回は、「洗濯機よりも手洗い」「ゴムは熱湯に弱い」「ピッタマスクは漂白剤に弱い」などなど・・・
知っておけば安心な布マスクの適切な洗い方・干し方・消毒方法をご紹介します!
目次
布マスクの洗い方は洗濯より手洗いがおすすめ!
布マスクの洗い方として推奨されているのは「手洗い」です。
洗濯機でがしゃがしゃ洗うよりも手洗いでやさしく洗った方が、布マスクは長持ちします。
感染予防で使う際は1日1回、1枚ずつ、が基本。布マスクを快適に繰り返すためには、繊維を傷めずに汚れを落とすことが肝心です。
正しい手順で手洗いをすれば、やさしく、でもしっかり、きれいに洗浄することができますよ!
布マスクの手洗いのやり方
準備するものはこちら↓
・衣料用洗剤
・洗面器
・炊事・掃除用ゴム手袋
・清潔なタオル
1.洗面器に水と衣料用洗剤を入れてよく溶かす
手袋をして、衣料用洗剤を使用量を守って水に溶かして洗剤液をつくります。
2.洗剤液にマスクを入れて10分間浸す
3.やさしく押し洗いする(10回程度)
マスクを押して沈めて、水面へ持ち上げて、また押して沈めてを繰り返します。
※もみ洗いではなく「押し洗い」なのがポイント!ついやりがちなもみ洗いは、実はマスクの繊維を傷める可能性があります。
※このとき、口紅やファンデーションなど気になる汚れは、洗剤液に浸した状態でやさしくたたき洗いをします
4.洗剤液をゆっくり流す
洗面器の洗剤液を静かにゆっくり流します。
菌やウイルスが混ざっている可能性のある洗剤液がまわりに飛び散らないように注意しましょう。
5.洗面器に水をためてすすぐ
水の中でマスクを振りながらすすぎ、洗剤液とともに汚れをしっかり落とします。
6.タオルに挟んでマスクの水気をきる
清潔なタオルに挟んで、そっとたたいて水気を取ります。
このときタオルにのせる位置を2、3回ずらしながら行うとタオルにしっかりと水分が吸収され、マスクの乾きが早くなります。
7.陰干しする
干す前に縫い目方向と横方向ににピッピッと引っ張って形を整えることにより、型くずれを防ぐことができます。
※乾燥機を使うと縮みなど型崩れの原因になります。
※天然繊維(綿・麻・シルク)は紫外線によるダメージを受けやすい素材です。
紫外線による変質、変色を防ぐため、陰干しがおすすめです!
布マスクをどうしても洗濯機で洗いたい!ポイントは?
さて、手洗いのやり方をお伝えしてきましたが…「マスクにそんなに時間かけてられないよ~!!」という方もいらっしゃると思います。
毎日使う場合や家族みんなが使う場合は特に大変ですよね。
一番のおすすめは手洗いなのですが、手洗いする余裕がないという方へ向けて、洗濯機で洗う際に気を付けるポイントをご紹介します。
・マスクはネットに入れる
ネットに入れることで型崩れを軽減させることができます。
最近は「マスク専用ネット」「そのまま洗えるマスクポーチ」などもありますので、ぜひ活用してみてください♪
・柔軟剤は使わない
柔軟剤はマスクに使うことを想定して作られていないため、使用は避けてください。
・デリケートコースで洗濯する
デリケートな衣類を洗える「おしゃれ着洗い」「デリケート洗い」といったコースを選べば型崩れを防げます。
・乾燥機は使わない
乾燥機はすぐに乾きそうなのでつい使いがちですよね。
しかし熱に弱い材料が使われているマスクもあり、乾燥機の熱は縮みなど型崩れの原因にもなるので注意です。
洗濯機で洗う際は以上の点に気を付けて、なるべくマスクにやさしい洗濯を心がけていただければと思います!
また、「洗濯機で洗いたい!だけど快適に使いたい!」というぐるぐる迷路に入ってしまった方におすすめなのが、
「色落ちしたら新調しよう」「環境の悪い場所で使ったものは洗わず捨てよう」といったルール作り。
繰り返し使えるのが魅力とはいえ、ひとつの布マスクにすべてを懸ける必要もありません。
衛生管理は大事ですが、なによりストレスなく続けられることが重要です。適度に交換することを前提に洗濯することもひとつの手段です。
布マスクを消毒したい!知っておきたい熱湯の注意点
マスクは顔につけるもの。衛生面を考えると洗剤だけでは心もとないですよね。
「自己流で消毒するのはさすがに不安」というあなたへ、ここでは布マスクの消毒方法を3つご紹介します。
熱湯を使った熱湯消毒・煮沸消毒と塩素系衣料用漂白剤を使った消毒法。
それぞれメリット・デメリットがあるので、お使いのマスクの素材や生活スタイルによって選んでくださいね♪
熱湯を使った布マスク消毒法
こちらの方法は熱湯消毒と煮沸消毒の2種類があります。
どちらも使用するのはお湯のみとシンプル。特別な洗剤を必要とせずに安全に殺菌することができます。
熱湯による消毒の場合は最高温度が100℃のため100℃までの温度で死滅する細菌には効果的です。
それじゃあ熱湯消毒と煮沸消毒、この2つの違いはなんでしょうか?
熱湯消毒とは、「沸騰した熱々のお湯をまわしかける」消毒法。
煮沸消毒とは、「鍋などに入れて煮る」消毒法。
つまり、熱湯にさらされる時間の違いで呼び方が変わっているのです。
長いほど消毒効果は確実になるので、できれば煮沸の方がよさそうです。
また、煮沸消毒では常温から入れて加熱することにより対象の破損を防ぐことができます。
■熱湯消毒のやり方
1.お湯を沸かす
2.マスクに10秒以上熱湯を回しかける
3.乾かす
■煮沸消毒のやり方
1.鍋にお湯を沸かす
ここで重曹を入れるとより匂いや汚れを落とせます!(水1リットルに対して、重曹大さじ1が目安です)
2.マスクを入れて15分間煮る
3.乾かす
塩素系漂白剤を使った布マスク消毒法
漂白剤と聞くと、とにかく白くするイメージですが、実は除菌・殺菌力も高いのです。
熱湯に弱いポリエステルなどの素材は漂白剤による殺菌が適しています。
漂白剤での布マスクの消毒も「手洗い」が推奨されています。洗濯機を使うと熱湯消毒より手間いらずですね。
漂白剤には「塩素系」と「酸素系」、「キッチン用」と「衣料用」があります。
布マスクに使用するのは、「塩素系」の「衣料用」漂白剤です。注意してくださいね!
■やり方
1.洗面器に水と塩素系漂白剤を入れてよく溶かす
※手袋つけるのをお忘れなく!
2.漂白剤液にマスクを入れて10分間浸しておく
3.洗面器の水をゆっくり流す
4.洗面器に水をためてすすぐ
※塩素のにおいがしなくなるまでしっかりとすすいでくださいね!
5.タオルに挟んでマスクの水気を切る
6.乾かす
あなたの布マスクは熱湯NG?漂白剤NG?どれが最適?
素材によって熱に弱かったり漂白剤と合わなかったりします。あなたの布マスクは何でできていますか?
素材別にどの消毒方法が適しているか見てみましょう。
・綿(ガーゼ)
→熱湯〇/煮沸〇/漂白剤〇
軍手やミトンにも使われているように、耐熱性はかなり高いです。
・麻(リネン)
→熱湯〇/煮沸〇/漂白剤〇
綿と同じように耐熱性に優れた素材です。
・絹(シルク)
→熱湯×/煮沸×/漂白剤×
熱に弱いため、水かぬるま湯でのお洗濯です。化学物質を嫌う素材であり、柔軟剤や漂白剤も使うことができません。
また、乾燥機は使えず、日光にも弱いため、陰干しにより乾燥させます。
アイロンをする場合は当て布が必須となり、低温で湿った状態で行う必要があります。
・ポリウレタン
→熱湯△(70度程度なら〇)/煮沸×/漂白剤×
熱や漂白剤で強度が低下したり黄色く変色したりする性質があります。
漂白剤よりは軽く熱湯消毒の方がいいかも。
・ポリエステル
→熱湯×/煮沸×/漂白剤〇
他の化学繊維と比べると耐熱性は高いのですが、実は、熱湯をかけると縮む性質があります。
※塩素系漂白剤は色柄物への使用は避けてください。
※煮沸消毒を行う際、ゴム製の耳掛け部分は熱に弱いため、少し早めに取り出すことをおすすめします。
また、これらの方法の他に、マスク用除菌スプレーなるものも売り出されています。
もちろんスプレーよりも確実なのは上記の方法です。
ササっと除菌したいときや、外出先などではそういったアイテムも便利です!
使い捨てマスクは洗える!?熱湯はNG!
使い捨てマスクが品薄状態…布マスクを作る余裕もない…
使い捨てマスクを再利用するしか道がない場合もあるかもしれません。
「使い捨て」と謳って売られているものを再利用するのは気が引けますが、やむを得ないこともあります…。
そんなときの、苦肉の策をご紹介します。
結論から言うと、洗うことはできます!ただ、これはあくまで目的は汚れを落とすことなのです。
不織布マスクの強みである高性能フィルターは水でじゃぼじゃぼするとある程度劣化してしまいます。
そのため、多少の品質低下は覚悟のうえでおねがいします。
洗い方についてですが、不織布マスクは特に繊維が傷みやすいので、決して洗濯機で洗わないでください!
めんどうですが手洗いをしてください…!手洗いのやり方は、はじめにご紹介した布マスクの洗い方と同じです。
※洗剤は中性洗剤がおすすめです!使い捨てマスクはデリケートなので!
そして、不織布マスクに熱湯消毒・煮沸消毒はNGです!
繊維が変質してフィルター構造はぼろぼろになってしまいます。
除菌や抗ウイルスが気になる場合は、マスク用除菌スプレーの使用をおすすめします!
マスクメーカー115社が加盟する「全国マスク工業会」は、
「洗って使えるという表記がない場合の再利用は勧めない」という指針を出しています。
布マスクは家でも簡単に作れるので、普段使い捨てマスクを使う方もひとつ予備で布マスクを用意して、
使い捨てマスクはちゃんと使い捨てするようにした方がよさそうですね。
まとめ
- 布マスクの洗い方は洗濯より手洗いがおすすめ(以下準備するもの)
- 洗面器
- 衣料用洗剤
- 清潔なタオル
- 炊事・掃除用手袋
- 布マスクの消毒は熱湯消毒・煮沸消毒・漂白剤消毒
- 消毒効果の目安は熱湯<煮沸=漂白剤
- 漂白剤は「塩素系衣料用漂白剤」を使用してください
- 漂白剤使用の際はゴム手袋をつけましょう
- 綿(ガーゼ)→熱湯〇/煮沸〇/漂白剤〇
煮沸の際、ゴム製の耳掛け部分は少し早めに取り出すのをおすすめします
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- 麻(リネン)
→熱湯〇/煮沸〇/漂白剤〇
-
- 絹(シルク)
→熱湯×/煮沸×/漂白剤×
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- ポリウレタン
→熱湯△(70度前後〇)/煮沸×/漂白剤×
-
- ポリエステル
→熱湯×/煮沸×/漂白剤〇
- マスク用除菌スプレーも上手に活用しましょう
- 使い捨てマスクの洗い方は布マスクと同じ※使い捨てマスクの再利用はおすすめしません
- 使い捨てマスクは熱湯NG(フィルター機能が失われます)
いかがでしたでしょうか!布マスクのなかでも素材によってはデリケートなものもあるんですね。
マスクは自分の顔につけるもの。正しくお手入れをして、安心して気持ちよく使っていきましょう♪